
はじめに:多くのママが陥る「好きなこと起業」の落とし穴
こんにちは。主婦起業コンサルタントの関本夕美子です。
「好きなことを仕事にしたい」「趣味を活かして起業したい」
そう考えているママは多いのではないでしょうか。確かに、好きなことを仕事にできれば理想的ですし、モチベーションも保ちやすそうに思えます。
ですが、実際に成功しているママ起業家の多くは、実は「好きなこと」ではなく「得意なこと」をビジネスにしているという現実があります。
今回は、なぜ得意なことで起業する方が成功率が高いのか、そしてママならではの得意なことの見つけ方について詳しく解説していきます。
好きなこと vs 得意なこと:決定的な3つの違い
1. 客観性の違い
好きなことは主観的で感情的な判断です。「楽しいから」「癒されるから」という理由で選ばれることが多く、市場のニーズとは必ずしも一致しません。
一方、得意なことは他者からの評価や客観的な結果に基づいています。「あなたって○○が上手ね」「いつも助かってる」という他者の声があることで、市場価値があることが証明されています。
2. スキルレベルの違い
好きなことは、好きだからといって必ずしも高いスキルを持っているとは限りません。むしろ初心者レベルのことも多く、起業してから一からスキルを身につける必要があります。
得意なことは、既に一定レベル以上のスキルを持っていることがほとんどです。そのため、起業当初から質の高いサービスを提供でき、顧客の信頼を得やすくなります。
3. 継続性の違い
好きなことは、それが仕事になった瞬間に「義務」に変わる可能性があります。締切やクレーム対応など、楽しくない部分も含めて向き合わなければならず、結果的に嫌いになってしまうケースも。
得意なことは、もともと自然にできることなので、ストレスが少なく長期間継続しやすい特徴があります。
なぜ得意なことで起業すると成功しやすいのか?5つの理由
1. スタートダッシュが早い
得意なことは既にスキルがあるため、起業と同時に質の高いサービスを提供できます。「練習期間」が不要なので、すぐに収益化につなげることができます。
実際に、家計管理が得意だったママが起業1ヶ月目からファイナンシャルプランニングの相談を受け、初月から10万円の売上を達成したという事例もあります。
2. 信頼性が高い
「あの人に任せれば安心」という評判が既にあるため、最初の顧客獲得がスムーズです。口コミも広がりやすく、営業に時間をかけなくても顧客が集まりやすくなります。
3. 差別化しやすい
得意なことは、その人独自の経験や視点に基づいていることが多いため、自然と差別化ポイントになります。同じサービスでも、あなたならではのアプローチがあるはずです。
4. 価格競争に巻き込まれにくい
スキルや経験に基づいた価値提供ができるため、安売りする必要がありません。「安いから」ではなく「この人だから」という理由で選ばれるようになります。
5. 成長スピードが早い
基礎スキルがあるため、応用や発展がしやすく、サービスの幅を広げたり、より高度なサービスを提供したりする成長スピードが早くなります。
ママならではの「得意なこと」を見つける5つの方法
1. 「よく相談される分野」を振り返る
友人や知人から「○○について教えて」「どうやってるの?」とよく聞かれることはありませんか?
- 子育ての悩み相談
- 家計管理の方法
- 時短料理のコツ
- 整理整頓術
- 習い事選びのアドバイス
これらは立派な専門性です。
2. 「褒められた経験」を書き出す
今までに他者から褒められたことを思い出してみましょう。
- 「写真を撮るのが上手」
- 「説明が分かりやすい」
- 「子どもの扱いが上手」
- 「イベント企画が得意」
- 「人の話を聞くのが上手」
褒められるということは、それが他者から見て価値のあるスキルだということです。
3. 「無意識にやっていること」を意識する
当たり前すぎて意識していないことの中に、実は貴重なスキルが隠れています。
- 冷蔵庫の中身を見ただけで献立が思い浮かぶ
- 子どもの機嫌を瞬時に察知できる
- 限られた予算で上手にやりくりできる
- 人と人をつなげるのが得意
- 空間を効率よく使える
4. 「ストレスを感じないこと」を探す
他の人が「大変そう」と思うことでも、あなたにとっては苦にならないことはありませんか?
- 細かい作業
- 人前で話すこと
- 数字の管理
- スケジュール調整
- クレーム対応
これらも立派な得意分野です。
5. 過去の経験を棚卸しする
主婦になる前の職歴や学生時代の経験も含めて、今まで培ってきたスキルを整理してみましょう。
- 接客業での経験→コミュニケーション力
- 事務職での経験→管理能力、PC スキル
- 営業職での経験→提案力、交渉力
- 育児経験→問題解決力、マルチタスク能力
成功事例:得意なことで起業したママたち
事例1:整理整頓が得意→整理収納アドバイザー
Aさん(40歳、2児の母)は、もともと片付けが得意で、友人宅に遊びに行くたびに「すごくキレイ」「どうやって整理してるの?」と聞かれていました。
起業のきっかけは、ママ友から「うちも片付けて」と半分冗談で言われたこと。試しに有料でサービスを提供してみたところ、口コミで依頼が広がり、現在は月収30万円を安定して稼いでいます。
事例2:家計管理が得意→家計コンサルタント
Bさん(35歳、3児の母)は、夫の収入が不安定だった時期に培った家計管理スキルを活かし、同じ悩みを持つママたちの相談に乗っています。
「同じママの立場だから分かる」という共感力と、実際に家計を立て直した実績が評価され、現在は個人相談に加えてセミナー講師としても活動しています。
事例3:写真整理が得意→フォトオーガナイザー
Cさん(38歳、1児の母)は、スマホに溜まった大量の写真を整理するのが得意で、友人たちからよく頼まれていました。
デジタル化が進む中で、多くのママが同じ悩みを抱えていることに気づき、写真整理サービスを開始。現在は法人からの依頼も受けるまでに成長しています。
好きなことは趣味として残そう
「好きなこと」を完全に諦める必要はありません。むしろ、好きなことは趣味として純粋に楽しみ、得意なことで安定した収入を得るという「二刀流」がおすすめです。
経済的な安定があってこそ、好きなことを心から楽しめるものです。プレッシャーのない環境で好きなことを続けることで、いつか新たなスキルが身につき、それが得意なことに変わる可能性もあります。
得意なことを見つけた後のステップ
1. 小さくテストしてみる
いきなり大きく始めるのではなく、まずは身近な人に有料でサービスを提供してみましょう。需要があるか、価格設定は適切か、自分が継続できるかを確認します。
2. フィードバックを集める
サービスを利用した人から率直な感想をもらい、改善点を見つけましょう。この段階でのフィードバックが、後のサービス向上に大きく役立ちます。
3. 段階的に拡大する
手応えを感じたら、徐々に顧客を増やしていきます。口コミ、SNS、ブログなどを活用して認知度を上げていきましょう。
4. 専門性を高める
関連する資格を取得したり、セミナーに参加したりして、さらに専門性を高めます。これにより、より高単価のサービス提供が可能になります。
まとめ:得意なことで安定基盤を作ろう
ママ起業で成功するためには、「好きなこと」よりも「得意なこと」を選ぶことが重要です。
得意なことをベースにした起業は:
- スタートが早い
- 信頼性が高い
- 差別化しやすい
- 価格競争に巻き込まれにくい
- 成長スピードが早い
というメリットがあります。
まずは自分の得意なことを客観的に見つめ直し、それを必要としている人がいるかどうかを確認してみましょう。きっとあなたが当たり前だと思っていることが、誰かにとっては貴重な価値になるはずです。
好きなことは趣味として大切に育て、得意なことで経済的な安定を手に入れる。この両立ができれば、充実したママ起業ライフが送れるでしょう。
あなたの得意なことは何ですか?今日から周りの人の声に耳を傾けて、自分の可能性を再発見してみてくださいね。